2021年9月5日掲載
Oliver Lake Quintet          Dedicated To Dolphy
Black Saint原盤                 1994年11月録音

 オリヴァー・レイクが52歳の時に録音された、彼が22歳の時に亡くなったエリック・ドルフィーに捧げた作品です。

 Russel Gunn(tp), Charles Eubanks(p), Belden Bullock(b), Cecil Brooks(d) とのクインテットでの演奏です、全9曲中、ドルフィー関連の曲が7つ、レイク作の曲が2つ演奏されています。

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 ドルフィーが残した作品の中でも、高い人気を持ち続けているのが、1961年7月16日にファイブ・スポットで収録されたライブ演奏でしょう。そのライブで音源が聴けるのは10曲(テイク)ありますが、ライブでメンバーが乗ってきた4曲目に収録されたのが「Fire Waltz」でした。この演奏はプレスティッジ系列のニュージャズから、「Eric Dolphy at the Five Spot, vol. 1」としてこの年の12月に発売されました。アルバムの冒頭に収録されていることから、ドルフィーの中でも印象深いファイブ・スポット、その中でも「ファイヤー・ワルツ」は印象深いものになっています。

 このオリヴァー・レイクの作品の冒頭に、この「ファイヤー・ワルツ」が収録されています。まるで33年前のファイブ・スポットの息吹を再現するような演奏です。亡くなる数ヶ月前なのに燃え上がるような演奏をしていたトランペット奏者のブッカー・リトルを彷彿とさせているのが、録音時点で23歳のラッセル・ガンです。私は詳しくないトランペッターのラッセル・ガンですが、ここでは若さと勢い爆発の演奏をおこなっています。

 ドルフィーのファイブ・スポットの魅力を噛みしめながら、このレイク作品にある他の8曲でのレイクならではの魅力を加えた演奏を堪能しながら、本作品を聴き終えました。