2015年12月10日掲載
Billie Holiday    The Lady (complete collection) Columbia系原盤  1940年前後録音

 先にビリー・ホリデイさんのデッカ時代のコンプリート盤を紹介しましたが、今回はデッカ以前のコロンビア系時代のコンプリート・ボックスを取上げます。コロンビア系としているのは、ブランズウィック,ヴォカリオン,そしてオーケーという、コロンビア系のレーベルに吹き込んでいたからです。その時期は1933年11月の初録音から1942年2月までであります。 
 さてこのボックスもの、8枚組です。8時間を超えています。頑張って聴きます。

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 ビリーさんの作品は、コロンビア系とデッカ時代のコンプリート盤を買った際に、1回流して聴いただけでした。数十年前のことであり、いつかじっくり聴こうと思いながら、今日まで経ってしまいました。

 このコロンビア系のコンプリート・ボックス、ボックス流行りの1986年に買ったもので、豪華な解説がついています。余りにページ数が多く、欲しい情報を得られません。何故これを書くかといえば、「奇妙な果実」が収録されていないのです。これは1939年4月20日のコモドアへの録音ですが、収録されていません。この日の前後の、3月21日と7月5日の録音は、このボックスに収録されています。コモドアとはコロンビア系ではないということなのでしょうか。しかし、ピンポイントで他のレーベルに吹き込むのも、理解し難いものです。そんなことを知りたく、解説書を読んでいますが、なかなか情報が得られませんでした。

 さて作品自体に話を戻しますが、初期の頃はベニー・グッドマンやベイシー楽団,テディ・ウィルソンやエリントン楽団の一部の方との録音が主となっています。それらの曲では先ずインスト演奏が半分まで続き、その後にビリーさんの歌となります。後半ではビリーさんがリーダーとなっての録音が主となり、レスター・ヤングやテディ・ウィルソン等との録音が主であり、歌中心のものです。その内容ですが、前半においてはデッカ時代に「優しさ、可愛さ」はなく、無理やりだみ声にしたような感じで歌い、悲しみ表現が光ったものになっています。後半は歌唱力に磨きがかかり、遊び心も加わり、余裕感を持って唄っております。

 8枚組、頑張って聴きました。実はここ数週間、ビリーさんのCDばかり聴いている生活です。今ではスタンダードとなっている多くの曲に、深く聴き入りました。購入してから26年経ち、ようやく自分の中にビリーさんの歌が入ってきた感じです。