2009年6月16日掲載
Michel Petrucciani     Live At The Village Vanguard
Concord原盤              1984年3月録音

 このペトルチアーニのライブ盤が発売された1985年当時、この作品で初めてペトルチアーニに触れた方も多かったことでしょう。1983年8月にチャールス・ロイド・カルテットのメンバーとして初来日、1984年8月には班尾でのジャズ祭りに参加、そして1985年7月にトリオで来日しております。丁度彼に大きな関心が集まっていた時期です。メンバーは、バレ・ニエルソン(b)とエリオット・ジグムンド(d)であります。

 私の記憶だとこの作品、SJ誌上での新譜レビューで、辛い得点でありました。

20090616

 これを買った当時は、コルトレーンを毎日聴かなければ、気が済まなかった時期。そんな私にはこの作品が、美の中でこじんまりとした作品に感じられました。『trouble』の静の中で多くのことを表現する姿に、熱さ満開のジャズには無いものを感じながらも、この作品が愛聴盤になることは決して無かったのです。

 それから四半世紀。その間に、私の聴くジャズの幅も広がり、またペトルチアーニの気に入った作品も現れ、久しぶりに聴くこの作品の印象も変わってきております。内にこもった美の世界に、自分が良さを感じられるようになったのを、改めて実感しました。