2009年1月17日掲載
Tommy Flanagan        Jazz Poet
Timeless原盤               1989年1月録音

 1989年の渋谷ジャロさんの新譜コーナーには、立て続けにピアノ・トリオの素敵な作品が入荷してきました。「続くときには続くものだ」と店主が言われていたことが、記憶に残っています。かつてそんな作品からビショップの作品をはじめ数枚取り上げてきました。

 今日取り上げるのも、その代表作の中の1枚です。トミ・フラが、ジョージ・ムラーツ(b)とケニー・ワシントン(d)を迎えて吹き込んだスタンダード集です。正面を見据えているようで少し視線がずれている、ジャケのトミ・フラの表情が印象的です。

20090117

 スロー・ナンバーが印象的な作品です。そして魅力は、どの曲も同じような風景にして演奏しているところ。選曲に当たっては、まず描く色合いをイメージし、その色合いを選んだ曲に染めていく。そのことによって、その曲の新たな魅力を提供していっている感じです。ムラーツとの息もぴったり。また数曲あるアップ・テンポの曲では、ケニー・ワシントンのブラシも堪能出来ます。トミ・フラの代表作の1枚と言えます。