2009年8月2日掲載
Anthony Wonsey       The Thang
Sharp Nine原盤          2004年2月録音

 アンソニー・ウォンジーは過去に2作取り上げましたが、良い印象を持っておりません。本来ならば買わない作品でしたが、渋谷ジャロさんの中古コーナーでみつけたことと、エリック・アレキサンダーが加わっていることから購入致しました。

20090802

 ウォンジーという人は色んなジャズを吸収しながら、それをこじんまりとまとめてしまっているピアニストと感じました。ベースは新主流派のようなものであり、考え込んでマイナーな雰囲気をだしています。1曲目の『All The Things You Are』は、まさにそんな曲。いい演奏なのですが、もう少し羽目を外せよと言いたくなる内容です。一方でウォンジー作の『Pamela』は、人への優しい気持ちを小細工なしに演奏したものです。ブルックリンにあるレストランを運営している女性へ捧げた曲だとか。こんな曲に、ウォンジーの魅力があるのだと思います。

 この2曲にはエリック・アレキサンダーは参加しておりません。彼の参加曲では、ウォンジーの意図を飲み込めず、少々困りながらサックスを吹いている彼の姿が思い浮かぶ演奏です。