2016年7月11日掲載
Orchestra U.S.A.   Debut
Colpix原盤        1963年1月録音

 MJQでの活動と併合して、ジャズとオーケストラの融合を追求していたジョン・ルイスは、ガンサー・シュラーと意気投合し、1955年にモダン・ジャズ・ソサエティを共同設立しました。それはジャズ&クラシカル・ミュージック・ソサエティに発展していきました。 
 そんな活動の成果としてこの「今日の1枚」では、今年の3月1日に「Jazz Abstractions」、そして6月8日に「The Wonderful World Of Jazz」を取上げました。共に1960年の録音でしたが、それからもジョン・ルイスはこの活動を進め、オーケストラUSAを編成して、1963年に吹き込んだ作品を今日は取上げます。


 参加メンバーは多数いるようですが、ジャズ側の主だった参加者は次の通りです。ドルフィー,ウッズ,リチャード・デイヴィス,そしてコニー・ケイといった有名どころであります。どんな内容なのでしょうか。

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 聴き所は「Three Little Feelings」との3部作でしょう。A,B,Cと名付けられており、これは1956年にジョン・ルイスが作った曲を。このオーケストラUSAのレコーディング用に手直ししたものとのこと。スローでマイナーの優しい曲を、AとBではウッズのアルトの妖艶さとアンサンブルが調和し、Cでは弦と管のアンサンブルを主役にしてギターを引き立てております。他の曲でも基本は同じで、ドルフィーを主役にしたり等の構成となっております。

 さて全体を通しての印象は、ジャズとオーケストラの融合は楽しめるものの、映画のサントラとの印象であります。この形を続けていっても、上手くいけば良質の映画音楽になるし、そうれなければBGM向けのイージー・リスニングで終わってしまうのでは。

 そんな印象を持ちながら、最後のアメリカ国歌は何でなのと思って、聴き終えた作品です。