2021年9月4日掲載
Charlie Haden / Paul Motian feat. Geri Allen
Etude
Soul Note原盤            1987年9月録音

 チャーリー・ヘイデンとポール・モチアン、録音当時は50歳代で円熟味というよりはノリに乗っていた時期です。サイドにまわれば技術力高いバッキング、リーダー作品となればこの時期に輝いていた高い音楽性を発揮していました。この二人が共同リーダー、そこに脚光を浴び始めていたジュリ・アレンが参加しての本作品です。

 新譜で店頭に並んでいた時期に結構な評判になった作品と、私は記憶しています。

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 ベースやドラムがリーダーののピアノ・トリオ形式の作品に秀作が多いのですが、この作品はその筆頭格と言えるのでしょう。ベースを存分に味わうピアノ・トリオ、ドラムの響きに心奪われるピアノ・トリオ、ピアノが輝くピアノ・トリオの王道演奏などがあることでしょう。そこに三位一体となれば名盤ということになります。この作品には更にベースとドラムの絶妙ないちゃつきがあり、なんとも言えぬ素晴らしい作品となっています。

 こんないくつものタイプの魅力が、それぞれの曲でそれぞれの存在を示しています。オーネット・コールマン作の名曲「Lonely Woman」には静の魅力を加え、ヘイデン作の「Sandino」では郷愁の世界を描き、モチアン作の「Etude Ⅱ」では悲しみの中で各楽器の音の魅力を堪能できる内容です。