2018年6月4日掲載
Ray Bryant Trio
Prestige原盤         1957年録音

 レイ・ブライアントの作品を「今日の1枚」で取り上げるのは、これで8枚目となります。その8枚を演奏形式から見ると、トリオ作品が半分の4枚となります。しかし他の2枚ではパーカッションを入れたもので、事実上はトリオ作品です。また他の1枚は、トリオをベースに曲により管を入れたものです。そうすると、8枚中7枚はトリオ作品と言えます。レコード会社から見ればレコーディングを安くできるとの面もありますが、管を入れた方が売れるのではとの考えもある中でのことでしょうから、ピアノトリオでそこそこ売上を確保できるピアニストとブライアントのことを評価していたのでしょう。

 今日取り上げるのはそんなピアノトリオ作品であり、カーメン・マクレエの伴奏を務めていた時期の録音です。ベースはアイク・アイザックス,ドラムはスペックス・ライトで、マクレエ歌伴仲間であります。

 さて先の8枚中トリオと言えないものが1枚あります。それはソロ作品であり、ブライアントを一躍スターにした作品でした。

20180604

 この作品をマクレエ歌伴時代の作品との意識で聴いたのは初めてなのですが、ブライアントの華麗な歌心フレーズにうっとりとしました。「Golden Earrings」と「Django」での、哀愁と華麗さが同時に演奏していくブライアントの姿に感心しながら、ジャズファンから愛し続けられているブライアントの一つの姿を再確認しました。

 ブライアントの独特のリズム感も堪能でき、地味ながら素敵なベースとドラムとの相性の良さを感じた次第です。
 素敵なピアノトリオ作品、ここにあり。