2006年4月28日掲載
Jon Mayer       My Romance
Reservoir原盤    2005年7月録音

 リザボア・レーベルのNYピアノ・シリーズをここで作品を取上げるのは、ほぼ1年振りのこと。最近購入を避けていたのかと思いましたが、リザボアのwebページを見てみると、最近は新譜をあまり発売していなかったようです。

 そして、ジョン・メイヤーの作品をここで取上げるのは、「Full Circle」以来ほぼ4年ぶりのことになります。その間に、「The Classics」という作品をメイヤーは発表していますが、そちらは未購入であります。

 さて、本盤のジャケット。写っているのは、奥さんではないかと想像します。そうならば、どこかに「愛しい妻に捧げる」云々のコメントが入っているはずですが、どこにもそれは見当たりません。もし奥さんでないのならば、ある程度年を重ねた女性のアップ写真をどうしてジャケに使用したかに、おおきな疑問を持ちます。

 Rufus Reid(b),Dick Berk(d)との演奏です。

20060428

 残響音過多とも思える録音なので、メイヤーのピアノは、ほんわかした演奏に聴こえてしまいます。そんな環境下ですとメイヤーのピアノは、いろんなことを語っているのも関わらず、言いたいことが十分の一も語られていないように響いてきます。そんな点を残念に思いながら聴いていたのですが、ひょっとしたらこれはメイヤーの作戦なのかもしれないと感じ出しました。思いを正面きって伝えられない男の心情を、この作品で表現したのではと、思いました。それは、奥さんへの感謝の気持ちかもしれません。

 日本人からすると感情表現過多に感しる欧米人ですが、やはりシャイな男も結構いるのでしょう。そう思って聴けば、コール・ポーターの『dream dancing』と『everything I love』での演奏の中に、シャイな男の愛情表現を感じ取りました。