2006年4月29日掲載
Lynn Seaton           Puttin' On The Ritz
Nagel Heyer原盤     2002年5月録音

 Lynn Seaton はベース奏者で、ピアノにStephen Anderson,ドラムにJoel Fountain を迎えての、ピアノ・トリオ形式での録音です。Lynn Seatonの同様のフォーマットでの作品を、過去ここで取上げました。メンバーは異なるのですが、その際の感想は、芳しくないものでした。また、その際には、一つ勘違いをしておりました。Lynn Seaton 黒人だと思っていたのです。ジャケを見る限り、そう思えたのでしたが、今回取上げる新譜のジャケを見れば、白人であることがはっきりと分かります。この2作品は録音時期で言えば、11年の開きがあります。ジャケで見るLynn Seatonの表情には年齢の変化があまりないのですが、演奏内容には大きな変化があるのを期待しております。

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 ピアノは、軽快なタッチで明るくメロディを弾く、何とも無難な演奏です。これ自体は魅力が乏しいのですが、トリオとしての評価となると、話は別。兎に角、トリオでの低音の切れ味に快感を覚えます。ピアノの低音に、ドラムとベースが鋭い切れ味の低音で襲い掛かり、オーディオ面での快感を得られます。無理に強調したものではないだけに、自然に楽しめるものです。

 曲自体では、最後に演奏されたタイトル曲が、気に入りました。これは、アンドレ・プレビンがアスティアに捧げた作品で、良い演奏を聴かせてくれます。また低音の自然な快感という意味では、2~3曲目に収録されている、『gone with the wind』『mood indigo』での演奏が、聴かせ所と言えるでしょう。