2000年3月22日掲載
Don Bagley     Basically Bagley
Dot原盤       1957年7月録音

 この作品、2月の終りに渋谷HMVでみつけました。ジャケットがどこかで見た事がある、これだけの理由で購入しました。翌週には新宿のユニオンで、山積みにされていましたよ。今、このレビューを書く為に「ピアノ1600」を読んでいたら、巻頭のカラー・ページでこのジャケットが掲載されており、それで記憶していたのでした。

 Don Bagley というベーシストは、1940年代から活 躍しており1950年代にはスタン・ケントンやレス・ブラウンの楽団に参加していましたが、その 後一線から退いたそうです。この作品はピアノ・トリオであるので、注目はピアニストでしょう。 Jimmy Rowles は1940年代にLAに移住し、ビリー・ホリデイ、レスター・ヤング、ベニー・グッ ドマン、ウディ・ハーマン等と共演していました。その後も空軍バンド時代を挟みながら、活発 な活動をしていました。この録音の時期は、スタジオでの活動が中心だったようです。ドラムの Shelly Manne については、紹介する必要はないですね。

20000322

 ドラム、特にブラシの音が、強く印象に残ります。まぁ、見事ですな、シェリー・マンは。顔つきからは想像出来ない強い線のベースを、ドン・バグレイが披露してます。“round about midnight”でのそれが、見事ですね。「ピアノ 1600」でこれを紹介していたのは、ドラムとベース命の寺島氏。うなづけますね。で、ピア ノ。強烈なベースとドラム、これは録音レベルにもよるのですが、これに隠れてその軽快さしか味わえなかったです。ジミー・ロウルズは1970年代にはピアノ・トリオだけでも、6枚の作品を残しています。機会あれば、そちらで彼の実力を聴いてみたいです。