2000年3月23日掲載
Doug Watkins      Watkins At Large
Transition原盤      1956年12月録音

 粘りっこい太い音でセンスの高いベースで、1950年代の数多くの名盤に貢献してきたダグ・ ワトキンスのリーダー作品です。ドナルド・バード(tp)、ハンク・モブレー(ts)、ケニー・バレ (g)という若さ溢れるミュージュシャンと共に、デューク・ジョーダンが参加しています。ワトキンス独特のベースを、たっぷりと味わいます。

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 ベースの録音レベルが高いのですが、全体との調和をしっかりと確保しています。特筆出来るのがホレス・シルバー作の“Phil T.McNasty's blues”です。最初からワトキンスのベースが体の中まで響く演奏が聴けるブルースで、このベースに影響されたかのように、バレル・モブレー・バードがギリギリまでの緊張感を保ちながら、熱気のある演奏を行っています。ベーシストがリーダーである作品の理想的な姿が、この作品にありますね。トランジションという極小レーベルが日本で人気が高い理由は、この作品のような高いレベルのセッションを出来る状況を、ミュージュシャンに提供してきたからでしょう。