2018年3月10日掲載
The Bill le Sage - Ronnie Ross Quartet
World Record Club原盤      1963年4月録音

 イギリスの中堅ミュージシャンお二人による双頭リーダー・カルテットによる作品を、今日は紹介します。ビル・ル・サージュはヴァイブとピアノ、ロニー・ロスはバリトン・サックス奏者であります。ベースにはスパイク・ヒートリー、ドラムにはアラン・ガンリーが参加しています。

 私が持っているCDは日本のノーマが2003年に発売したものですが、オリジナル・レーベル名を探すのに苦労しました。結局ネットから情報を得たのですが、このワールド・レコード・クラブは通販専門レーベルとのことです。相当の音楽好きの方々が、その通販クラブの会員になっていたようです。

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 西海岸ジャズを上手く吸収しての演奏との表現も確かなのですが、私にはお二人の独自のリズム感を感じます。決して特徴あるものではなく、サラッとした味付けなのですが、その塩味加減が絶妙なのです。スタンダードや、お二人の洒落たオリジナル曲を楽しく聴かせてくれる40分でした。

 ここまで書いたところで、念のため「「今日の1枚」掲載リストを確認したところ、ロニー・ロスの1959年アメリカ制作の作品を取り上げていることに気付きました。そこでは「個性が感じられない、印象に残る作品ではない」と冷めた感想を述べていました。アメリカでの録音となると、ロスさんの個性を発揮しにくかったのでしょう。このイギリス通販会社制作盤では、洒落た個性を感じられました。