2017年8月1日掲載
The Complete Jimmy Smith's Super Jamm Volume One
Blue Note原盤      1957年8月録音

 ジミー・スミスのブルー・ノート作品を、今日は取上げます。ジャケをご覧頂ければ、この作品は4002番のハウス・パーティだと、ジャズ好きの方ならばすぐに分かることでしょう。しかし本盤は日本編集盤であり、そのことは後述致します。

 ブルー・ノートの柱と言えるライオンとウルフは、1956年2月にハーレムのジャズ・クラブに、無名オルガン奏者の演奏を聴きに行きました。そこでの、それまでオルガンのイメージを変える演奏に触れ、すぐにそのオルガン奏者のジミー・スミスと契約したのでした。すぐにデビューとなったスミスは直ぐに大人気者となり、最初の2年間だけでも、スミス名義の作品だけでも13枚というレコーディングを行うほどでした。

 その中身は大きく3つに分類され、先ずは自身のトリオ。そしてそこに有名どころを加えてのもの。3つ目が、オール・スター・ジャム・セッションであり、これは計3回行われました。1957年8月と1958年2月のセッションは、「ザ・サーモン」と「ハウス・パーティ」という2つの作品として発売され、さらにその後にはこの2作品に収録し切れなかった演奏が、いくつかの形で世に出ました。

 さて冒頭に書きました今日取り上げる作品について述べます。1987年に東芝EMIがCD化するにあたり、この2つのセッションを混ぜたオリジナルの形で発売するのではなく、セッション毎に発売する方針を取りました。今日の盤は1957年8月25日のセッションの演奏で、ジャケには4002番のハウス・パーティを使用しています。

 モーガン,フラー,コールマン,マクファーデンとバレルは交互に,そしてベイリーというメンバーです。

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 ごきげんジャム・セッションで全員に聴かせ所を用意してありますが、やはり主役ジミー・スミスの存在感は流石のものです。「ハウスパーティ」に収録されていた曲で言えば、スタンダードの「ジャスト・フレンズ」ではギターのエディ・マクファーデンのブルース愛溢れるギターが光っておりました。またソウル感覚満載のミディアム・テンポの「ブルース・アフター・オール」はバレル作の曲で、全員が演奏を楽しんでいる様子が伝わってきます。恐らくは売れっ子達が簡単な打ち合わせで演奏し始めたこの8月25日なのでしょうが、演奏内容は60年経っても存在感あるものになっております。