2017年2月9日掲載
Red Garland            It's A Blue World
Prestige原盤            1958年2月録音

 ジャズ作品は録音年月日は分かっても、いつ発売されたかは、なかなか掴めないものです。しかしレコード番号から、ある程度の推測はつきます。

 今日の主役レッド・ガーランドは、この「It's A Blue World」が吹き込まれた年は、大忙しでした。マイルスやコルトレーンのバンドでの活動と共に、自身の作品も数多く吹き込みました。

 この年にプレスティッジに吹き込んだガーランドのリーダー作品、つまりムーズビルへの1枚を除くものを、録音順に記すと次のようになります。本作(7838),マンテカ(7139),キャント・シー・フォー・ルッキン(7276),ロジョ(7193),オール・カインズ・オブ・ザ・ウェザー(7148)といったものです。カッコ内はレコード番号であり、これを見ると本作品がお蔵入りになっていた期間が長かったことが分かります。

 チェンバース、テイラーとのトリオ作品、渋いスタンダードを演奏しております。

jtdphoto20170209

 長期間に渡りプレスティッジの倉庫に眠っていた理由を敢えて上げるとしたら、チェンバースの独りよがり弓弾きと、若干の注意力散漫と言ったところでしょうか。「This Can't Be Love」などのあまり聴く機会の無いスタンダードに触れられただけでも、価値のある作品です。多忙期ガーランドのちょっと一息入れた作品と考えれば、楽しめるものです。