2017年2月8日掲載
James Clay               A Double Does Of Soul
Riverside原盤            1960年11月録音

 ジェイムス・クレイはフルートとテナー・サックスを演奏する、テキサス出身の方です。一般的に彼の名前から思いだす演奏としては、ローレンス・マラブルの「テナー・マン」への参加、同じテキサス出身のテナー奏者デイビッド・ニューマンとのコ・リーダー作品でしょう。共にジャケットが印象的な作品です。

 しかし他のレコードでのクレイと言えば、資料なしで思いだせるものがありません。いつものネタ本を見れば、ウエス・モンゴメリーの作品にも参加しているようです。

 彼は1960年に、キャノンボールの推薦でリバーサイドと契約しました。そこで吹き込んだのが、先のデイビッド・ニューマンとのものやウエスとの作品です。そして唯一の単独リーダー作品が、今日取り上げるものになります。ジーン・ハリス(p),サム・ジョーンズ(b),そしてルイ・ヘイズ(d)とのリズム陣を従えての演奏で、5曲にナット・アダレイが加わり、残り4曲にはビクター・フェルドマンが参加しております。

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 テキサス・スタイルとのくくりではない、憂い,寂しさ,そして優しさを感じさせるクレイの演奏が堪能できる1枚です。「New Dehli」はビクター・フェルドマン作の曲ですが、憂いと寂しさをフルートでクレイは表現しています。

  一流にはなれなかったクレイですが、この作品でジャズ界に今でも存在感を示しています。

 そんな彼はリバーサイドとの契約が終わった後に、レイ・チャールス楽団に入り、日本で演奏したこともあるようです。しかしジャズ界からは、その姿は消えたものになりました。