2008年1月8日掲載
Dexter Gordon   The Montmartre Collection
Black Lion原盤  1967年7月録音

 欧州時代のゴードンが、本拠を構えていたモンマルトルで、思う存分ワン・ホーンで演奏したライブ作品です。LPでは3枚に分かれて発売されましたが、CDでは2枚組みでの発売。ケニー・ドリュー(p),ニールス・ペデルセン(b),そしてアルバート・ヒース(d)との演奏を、一気に聴いてみます。

20080108

 麻薬から復帰したゴードンの作品を聴いた日本の評論家が、「ロリンズの影響を受けた大物新人登場」なんて事を書いた笑い話を、以前何かで読んだ記憶があります。様々なスタイルを吸収して豪放な演奏スタイルを確立したゴードンは、麻薬による停滞時期に華々しく登場した後輩ロリンズからも、影響を受けていったことを物語っている話です。まぁ、ジャズに関する文章を書く評論家ならば、ゴードンを知らなかったのは恥ずかしい話ですけどね。

 さて、本作品。そのロリンズのオリジナル『ソニームーン・フォートゥ』が、1曲目に収録されています。ロリンズの十八番で、1957年のヴィレッジ・ヴァンガードでのライブ盤での演奏が光る曲。ゴードンがこの曲を演奏するのは、記録に残っている限りですと、このモンマルトルでのライブ盤だけです。一瞬でゴードンと分かるテナーの音色で、豪快にぶっ飛ばすアドリブを聴かせてくれます。