2008年1月7日掲載
Stan Getz     The Bossa Nova Years
Verve原盤     1962年2月録音

 ゲッツのボサノヴァ録音がCD4枚組みで堪能できるということで、1989年に買ったものです。殆どゲッツを聴いていなかった時期なのですが、ボサノヴァの香りには惹かれるものがあって、多分1万円近かった値段にも関わらず、購入したのです。

 しかし、この作品を「今日の1枚」で取上げるのは、躊躇してきました。このコーナーはジャケ掲載できておりますので、やはりオリジナル・ジャケットを載せたいとの思いからの躊躇でした。しかし、このコーナーのためにオリジナル・ジャケで買いなおすほどの惚れ込みは無く、従って今回の4枚組ジャケでの掲載となったのです。

 1962年2月から1964年10月までの、12回の録音が収録されております。

20080107

 アストラッド・ジルベルトの歌声は、フワフワして気持ち良いもの。ジョアン・ジルベルトのギターと歌も、同様のもの。そして、主役ゲッツのテナーもフワフワ。ボサノヴァの魅力はフワフワなのかと感じた、CD4枚組を、一気に聴き通しました。

 で、ボサノヴァ2年半でゲッツは、結構なお金を得たとか。この後はジャズに戻った活動で、自ら率いたグループから、何人もの才能を開花させました。ゲイリー・バートン,チック・コリア,そしてミロスラフ・ビトウスなど。そして1972年以降の悠々自適なゲッツの活動に繋がっていきます。そんな意味でも、ボサノヴァ2年半は、ジャズ界にとって貴重なものだったと言えるでしょう。