2005年12月17日掲載
Bill Mays         Live At Jazz Standard
Palmetto原盤   2004年12月録音

 もう4年前になりますが、寺島氏の本に掲載された作品をユニオンで特集していたことがありました。寺島氏独特の表現から自分好みだろうミュージュシャンを選び、10枚ほど買ってこのコーナーで取上げました。

 その中の一人がこのビル・メイズさんであり、取上げた作品は夏に因んだ曲を集めた「Summer Sketches」でした。この作品以降メイズは3枚の作品を発表してきまいしたが、それらを購入する機会には恵まれませんでした。

 今回再び出会えたメイズさんの新譜は、タイトル通りの内容で、トリオ編成。メンバーは「Summer Sketches」と同様であります。

20051217

 漂う柔らかさには感心するけれど、力強くいくところは力強く決めろよとの、じれったさを感じてしまうピアノであります。それでいて聴かせてしまうイマジネーションの高さには感心します。

 何故だか、ゴルフ練習場での上手い女性のスイングを見ているようです。トップ・スイングまでのゆったりした流れには感心するが、ダウン・スイングはもっと力を入れろよと、思ってしまうのです。しかし、ただ力だけでスイングしている男共よりは、確実な飛球。

 こんなことを考えながらメイズのピアノに考えを戻してみたら、この力具合は、メイズさんの狙いなのかも。力強いばかりが熱演ではなにのだよと、語りかけるようなピアノに感じてしまう。そんなマジックに嵌った僕は、この作品と「Summer Sketches」の中間に作成された作品で、同じメンバーで吹き込まれた「Going Home」という作品に興味が進んでいきます。いずれは買ってしまうだろうな。