2004年3月20日掲載
Gene Ammons       Jug
Prestige原盤           1961年1月録音

 間違って同じ作品を買ってしまうことは、ジャズ・ファンの間では結構あることらしい。意図して買うのではなく、家に帰ってから泣きをみるんだよね。僕は注意深く購入しているつもりだが、いくつも2枚買いの作品があり、このジャグもその1枚。

 そんな訳でジャグっていう響きがいろんな意味で印象深いのだが、その意味はなんだろうと思って、調べてみた。水やお酒をためておく大型の瓶のことらしくて、ビールのジョッキはここから発生した言葉だとか。

 で、この瓶を吹いてチューバやベースの替わりにして、演奏しているバンドをジャグ・バンドっていうんだ。そのバンドにはジャグだけではなく、洗濯板やカズーなんかも使っていたらしい。

 恐らくこの出発点から本格的なブルース・バンドになっていき、しかし最初の精神のジャグって言葉を大切にしたいために、アモンズはこの作品を始めとしてこの言葉を多様しているんでしょう。

 しかし僕がジャグ・バンドから思い出すのは、「坊屋三郎とあきれたぼういず」でありますな。

20040320

 まぁ勿論ちゃんとした楽器で演奏されていまして、ワイアンズのピアノが品良くきまっております。そしてアモンズは「let it be you」という渋い曲を引っ張り出し、バラッドの奥の深さを聴かせております。彼の魅力の一つは、細かな理屈は考えないこと、自分のスタイルを貫き通すことでしょう。それこそが、ジャグの精神かと考えた次第です。