1999年9月19日掲載
Vladimir Shafranov     live at groovy
Kompass原盤           1981年6月録音

 旧ソ連出身のピアニスト、ウラジミール・シャフラノフのデビュー・アルバムです。ロシアで産まれ、イスラエルへ、そしてフィンランドへ彼は旅を続けたらしく、これはヘルシ ンキのジャズ・クラブのグルーヴィで吹き込まれた、トリオ作品ですね。その後彼はアメリ カからホワイト・ナイツという作品を発表し評判になったそうですが、残念ながら僕は聴い てません。“今後ピアノ・トリオを語る上で重要作品になる傑作”との、国内発売元のコピーがありますが、何の先入観を持たずに聴いてみたいですね。

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 評論家風に言えばキース派ということになるのでしょうね。これは綺麗さだけではなく、テンポ良く演奏されている“Moon and sand”やスローの“Who cares”というスタンダードで聴けるスリリングさを、随所に聴かせてくれることから拠るものっで、それが無ければ巷溢れる小奇麗なだけの作品に終っていることでしょう。モンクの“Rhythm-a-ning”は曲の持味がシャフラノフのスリリング なピアノで一層光るものになり、コルトレーンが名作ブルー・トレインの中で披露した “Moments notice”でのハード・バップの香を存分に醸し出しています。そして“枯葉”で の演奏で、聴く者にそのスリリングさで止めを刺していますね。彼のもう1枚のトリオ作品を是非手に入れたいです。