1999年6月22日掲載
Harold Land        the fox
Contemporary原盤    1959年8月録音

 テナーのハロルド・ランドは何と言っても、1954年にLAでマックス・ローチ~クリ フォード・ブラウンのコンボでの演奏が、印象深い人ですね。天才ブラウンの火の出るソロの後に、ホットするようなテナーが良かったですね。このアルバムはピアノにエルモ・ホープを迎え、トランペットには無名のデュプリー・ボルトンが参加している、クィンテットでの録音です。彼は主役を張れる存在なのか、脇役なのか、このアルバムから聴き取れるでしょうか。

19990622

 6曲中4曲提供しているエルモ・ホープの曲が、名曲という程ではありませんが、良い味を出していますよ。ここでの演奏が初出かは分かりませんが、スロー・バラッドの“mirror-mind rose”やアップ・テンポの“one down” 等は、ホットする曲です。感心のランドのプレーと言えば、おとなしいの一言です。ここという場面がなく、のほほーんとした雰囲気で終始しています。やはり光る演奏をする人に触発されてこそ、良い演奏が出きるタイプなのでしょう。笑ったのはペットのボルトンです。1曲目のランドのオリジナルのタイトル曲で、ブラウニー張りに吹こうとするのですが、意識と裏腹に演奏の方は空回りしています。これではランドも触発されようがないですね。