掲載したジャケットは、1987年にCD2枚組で発売された際のものです。
1966年7月に来日したコルトレーンは、14日間連続のコンサートを行いました。その際に、ラジオでの1回だけの放送を条件に、公演二日目の11日のサンケイホールでの演奏をTBSラジオが、公演十三日目の東京厚生年金会館での22日の演奏をニッポン放送が録音しました。
それから年数が流れ、アリスの了承のもとで、公演十三日目の22日の演奏が1973年に日本で発売されました。その後に本家インパルス！からも発売されたのですが、アルバム名は「Concert in Japan」や「Live in Japan Vol. 1」などの名称となっています。数々の再発に際しては、浮世絵風のジャケットも登場しました。
各曲については「今日のコルトレーン」をお読みください。
この1966年の2月にはアルバム「アセンション」が発売されたので、会場に集まった観衆はこれを聴いていたことでしょう。しかし1965年のシアトルでの演奏も、そしてこの1966年5月のヴィレッジ・ヴァンガードでの演奏も、この1966年7月の時点では発売されていませんでした。その意味では新しいコルトレーン・グループのライブ演奏を、この厚生年金会館に集まった方々は初めて接したことでしょう。コルトレーン没後には賛美の感想が多くの媒体に登場しますが、当時には批判的な声もあったとの話も聞きます。
俗に言うスピリチャルな演奏がより深まったのが新しいコルトレーン・グループです。また演奏時間は長くなっていき、そのピークが日本公演でした。
1966年の「My Favorite Things」
5月28日のヴィレッジ・ヴァンガード
計26分27秒（ベース独奏6分）
7月22日の東京厚生年金会館
計57分13秒（ベース独奏15分近く）