2022年4月5日掲載
John Coltrane                    Legacy
Verve/impulse! 他 原盤      1965年3月録音

 2002年にCD4枚組でヴァーヴ/インパルス!から、コルトレーンの編集箱物盤が発売されました。この箱物には3つの特徴があります。

特徴その1
 CD4枚に39曲が収録されていますが、その中に他レーベルのものが計13曲入っています。
Columbia - 1曲
Blue Note - 1曲
Prestige系 - 4曲
Atlantic - 7曲

特徴その2
 ジョン・コルトレーンの息子のラヴィ・コルトレーンがこのCD4枚組を企画しており、各ディスクにテーマをつけています。
CD1 Harmonic and Melodic
CD2 Rhythmic
CD3 Elvin and Trane
CD4 Live

 意義ある二つの特徴ですが、これだけだとこの箱物はコルトレーン入門用であり、コルトレーン愛好家向けとは言えません。しかしながら次の3つ目の特徴によって、この箱物は”コルトレーンが残した音源は全て聴きたい”というコルトレーン愛好家の必須アイテムとなったのです。

特徴その3
 1965年3月28日にヴィレッジ・ゲイトで行われた、リロイ・ジョーンズ主催のライブ・イヴェントにおけるコルトレーンが黄金カルテットで演奏した30分が、全てこの箱物に収録されているのである。
-01   Nature Boy (breakdown) (1:15)
-02   Nature Boy (8:04)
-03   bass solo (7:03)
-04   One Down, One Up (14:47)

 「Nature Boy」に関しては1965年11月にこのライブを収録したアルバム「The New Wave in Jazz」で発売されていましたし、その後もいくつかの編集版CDで発売されていました。しかしながら、他の音源はこの2002年発売の箱物で初めて発売されたのでした。

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 焦点はやはり1965年3月28日のライブ演奏となるのですが、そちらは「今日のコルトレーン」をお読み下さい。

 私ごとですが、このCD4枚組で1965年3月28日以外を聴くのは、今回が初めてだと思います。5時間近くを聴いた感想ですが、ジャズ聴き始めの方、そしてコルトレーンは超有名どころ数枚持っていればいいやとの思いだった方には、有意義な箱物だと思います。

 私の知り得る限りでが、この箱物発売から20年経った現在でも、1965年3月28日のライブ演奏をフルで聴けるのはこれだけです。私にとってはこの意味で輝いている箱物です。