2022年2月4日掲載
Duke Ellington & John Coltrane
impulse!原盤        1962年9月録音

 エリントンとコルトレーンの奇跡の1962年9月26日のレコーディングは、プロデューサーのボブ・シールの熱き構想によるものでした。この名盤のライナーノーツに次の記述があります。


 ジャズ界において、スタイル面でもっとも強い影響を与えてきた三人は、ルイ・アームストロング、コールマン・ホーキンス、そしてジョン・コルトレーンだ。音楽プロデューサーのボブ・シールは、この並び順どおりに彼らとデューク・エリントンとの共演を実現させていく中で、デュークがこの世界でいかに重要な立場にいるかということを実証してみせた。


 この構想はまず、1961年にエリントンとサッチモの共演を実現させました。その成果はルーレット・レーベルから、「Together For The First Time」と「The Great Reunion」との二枚のアルバムとして発売されました。

 シールの構想実現第二弾は、この作品における、エリントンとコルトレーンの共演でした。

 そして最後のコールマン・ホーキンスとエリントンの共演は1963年に実現し、インパルス!から「Duke Ellington Meets Coleman Hawkins」として発売されました。


A面
In A Sentimental Mood
Take The Coltrane
Big Nick
Stevie

B面
My Little Brown Book
Angelica
The Feeling Of Jazz

 エリントン関連の曲が中心の選曲となっており、ベースとドラムスはエリントン楽団の二人(アーロン・ベルとサム・ウッドヤード)、そしてコルトレーン黄金カルテットの二人が、基本的には曲毎に交代して演奏しています。

20220203

 各曲については、「今日のコルトレーン」をご覧ください。

 ボブ・シールの夢の実現、エリントンの音楽への信念、そしてコルトレーンの崇拝の気持ちが、ジャズ界の名盤を生み出しました。凛々しいエリントン、メロディを大切に音楽へ向き合うコルトレーン、何度聴いてもこの作品に聴き入ってしまうのは、多くのジャズファンに共通することでしょう。

 本作品はコルトレーンのインパルス!第四弾となります。

A(S)-06 Africa/Brass 1961年9月1日発売
A(S)-10 Live at the Village Vanguard 1962年2月発売
A(S)-21 Coltrane 1962年8月発売
A(S)-30 Duke Ellington & John Coltrane 1963年1月発売