2022年10月1日掲載
John Coltrane
The Complete Prestige Recordings
Prestige原盤               1955-8年録音

 ジョン・コルトレーンは、1955年から1958年のプレスティッジ時代に、24回のレコーディングを行い、152曲を録音しました。それらはプレスティッジ及びプレスティッジ系列からアルバム36枚に収録され、1956年から1966年にかけて発売されました。

 今日取り上げるのは、それらの全ての演奏をセッション順に、CD18枚に収めた箱物です。私が購入したのは国内盤で1992年のことでした。この箱物には通し番号が印字してあり、私のものは「000090」となっています。

 ダグ・ラムゼイ, ダン・モーゲンスターン, カール・ウォイデックの3氏による英文解説と共に、その日本語訳も、この箱物に入っています。

 プレスティッジから1988年にマイルスのCD8枚組箱物が発売されていました。その関係からなのか、コルトレーンの箱物が発売された際には、本国アメリカ盤ではマイルス関連の演奏は省かれていました。しかし、国内盤ではマイルスとの演奏も全て収録され、文字通り全ての演奏が詰まった箱物として発売されていました。

 私はマイルス箱物も持っており、そしてこのコルトレーン18枚組には未発表が無く、当時ならではの高額でしたが、迷わず購入しました。

20221001

 各曲については「今日のコルトレーン」にあります。

 コルトレーンの残した演奏をそのセッション順に聴いていくと、いろいろなことが見えてきます。プレスティッジに関しては各アルバムを取っ替え引っ替え聴いていけば、セッション順に聴くことができますが、この手間はなかなかなものです。その意味ではこのCD18枚箱物は、貴重な存在といえるのでしょう。

 また、ダグ・ラムゼイ, ダン・モーゲンスターン, カール・ウォイデックの3氏による文章は、中身の濃いものです。コルトレーン関係の書籍は多数ありますが、プレスティッジ時代を著したものとしては、このCD18枚組に入っている3氏による文章が中身の濃さから筆頭格と言えるのでしょう。その意味からも日本語訳は貴重なものです。

 購入してから30年が経ちましたが、私にとってこの箱物の存在感は輝き続けています。