2021年5月9日掲載
Giorgio Gaslini Quintet
Live At The Public Theater In New York
Dischi della Quercia原盤              1980年4月録音

 Wikipediaによれば、「パブリックシアターは、1954年にジョセフパップによってシェイクスピアワークショップとして設立されたニューヨーク市の芸術団体で、新進気鋭の劇作家やパフォーマーの作品を紹介することを目的としています」とあります。やはり、”それなり”の方が出演を許される舞台なのでしょう。その意味では、イタリアを代表するジャズ・ミュージシャンのガスリーニがこの舞台に立つのは必然だったのかもしれません。

 地元ミラノでは立派なオペラ劇場でのライブ盤を残しているガスリーニ、またニューオーリンズのジャズ祭でのライブ盤(2018/11/5)を発表しているガスリーニですので、このザ・パブリック・シアターでの演奏もこうやって世に出ています。

 メンバーは、Gianluigi Trovesi(as,ss,b-cl,piccolo), Gianni Bedori(ts,ss,ottavino), Marco Vaggi(b), Gianni Cazzola(d) とのクインテットでの演奏です。

 ジャケに写るこの五名、メンバーの四人には笑顔が見られますが、ガスリーニは緊張の面持ちです。

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 ガスリーニの経歴紹介となれば必ず書かれるのは、映画音楽「La Notte(夜)」でしょう。物語を音楽にする、音楽で何かを語っていく、この辺りがガスリーニの真骨頂なのかなと、本作を聞いて感じました。

 暖かく落ち着くフリーな演奏、と書けば相反するとなるのでしょうけれど、ここでの演奏を聴くとそのように感じます。18分に及ぶ「Assalto al Castello」で、特にそう感じました。

 また自身のピアノ演奏と共にベースにも光を当てた穏やかなスロー・ナンバー「Assalto al Castello」での温かみにも聴き入り、これもガスリーニの特徴なのかなと思いました。

 ザ・パブリック・シアターに集まった観客が満足した様子は、その拍手からわかります。またガスリーニ自身も満足していることは、裏ジャケに写るガスリーニの笑顔からわかるものです。