2018年5月7日掲載
Gato Barbieri & Dollar Brand       Confluence
Togetherness原盤                         1968年3月録音

 南アで活動していたダラー・ブランドは人種差別に耐えきれず、1962年にヨーロッパに活動の拠点を移しました。またアルゼンチンで活動していたガトー・バルビエリも、1962年にヨーロッパに渡りました。この2人が出会うのは当然のこととも言え、デュオ作品を残したのでした。テナー・サックスとピアノ&チェロでのデュオ作品を、今日は取り上げます。

 因みにお二人とも1934年生まれであります。

20180507

 感情を表現する力に長けたお二人の激しくぶつかり合う語らい、あるいは応酬に、圧倒されっぱなしで聴き終えた作品です。

 1曲目の「The Aloe And The Wildrose」では、前向きに考えようとしながらも、その考えに押しつぶされていく姿。2曲目の「Hamba Khale!」では、明日へのささやかな望み。3曲目の「To Elsa」では、日常生活につきものの葛藤。そして最後の「Eighty First Street」では、冷静に自分を考えながらも、そのように努めれば努めるほど、自分の考えにぶつかり1曲目の状態に戻っていく。

 恐らくは誰でも遭遇するこのような心の動きを、この2人は表現したかったのでしょう。