2018年3月5日掲載
Carole Simpson        Live (and otherwise)
SSJ原盤                     1990年録音

 昨日に引き続き、シナトラ・ソサエティ・オブ・ジャパンから2009年に発売されたヴォーカル作品を紹介します。

 歌手兼ピアニストのキャロル・シンプソンは、ビリー・メイ楽団で活動した後の1957年に、キャピトルから「オール・アバウト・キャロル」を発売しました。しかしキャピトルが同作品の宣伝活動を行おうとした時には、キャロルさんは結婚したてで女の子を出産した特語であり、キャピトルの要望に応えられませんでした。当然ながら彼女はキャピトルとは無縁に成りました。

 しかしながらこの「オール・アバウト・キャロル」を評価する方々おり、テレビ番組への出演とかに成り、そして1958年に「シンギン・アンド・スインギン・キャロル・シンプソン」という作品を発表しました。しかし内容が地味とのことで、商業的には成功しませんでした。

 それでも美貌のキャロルさんですので、映画出演の話とかがあったようですが、彼女は興味を示さなかったようです。

 その後は10年間の活動停止期間はありながらも、マイペースな音楽活動をキャロルさんは続けてきました。今日取り上げる作品はそんなマイペース時期のもので、1990年のライブや、1990年代のスタジオ録音などが混ざっている作品です。

20180305

 貫禄ある雰囲気で歌ってはいますが、年齢によるテクニックの衰えが随所に出ています。60歳以降の録音だと思うので、しかも一線で歌ってきた人ではないので、これは当然のことでしょう。

 この作品の発売方法で問題ありなのは、その内容ではなく、ジャケットです。若き美貌のキャロルさんのアップ写真を使っているので、ジャケ買いした人は、私を含めて多かったはずです。実に罪作りな販売方法です。

そう思って聴き終えたのですが、今考えるとこの作品の存在価値は、「オール・アバウト・キャロル」を聴いて彼女の虜になった人たち向けの作品だということでしょう。今でも歌っているんだとと、そんな人たちに示したことがこの作品の存在価値なのです。