2018年1月9日掲載
Gianni Basso & Renato Sellani   Body and Soul
Venus原盤               2008年5月録音

「偉大なイタリアンジャズの歴史を作ってきた二人の大御所 ジャンニ・バッソ&レナート・セラーニの最新共演アルバム登場!」と、2008年に本作が発売された時の帯に書かれています。この文章に偽りなしであることは、ジャズファンならば認めることでしょう。

「イタリアンジャズの神髄、頂点を極めた傑作アルバム!!」という帯の文句には流石に盛り過ぎと思いますが、素直な気持ちで聴いてみます。

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 テナー・サックスとピアノのデュオで、ここまでリズミカルにメロディを楽しませてくれるご両人は、流石に「大御所」という言葉が似合うものです。ベースに陽気さというか楽しさがあり、そこの哀愁を絡めていく歌い方には、惚れ込みます。そんな二人の姿は、多くの歌手が十八番にしている「マイ・フーリッシュ・ハート」で最高潮を迎えています。

 この「今日の1枚」では、セラーニさんのリーダー作は1枚しか紹介してませんが、バッソさんの作品は9枚取り上げてきました。厳しいコメントを多く書いたのですが、この作品で感じたバッソさんの魅力という視点を持って、もう一度聴いてみます。

 それにしても本作を吹き込んだ翌年に78歳で亡くなっています。遺作が何かは知りませんが、本作品はバッソさんがその長い活動の最後に見せた、素敵な味わいでありました。