2017年7月6日掲載
The Soul Of The Jazz Percussion
Warwick原盤               1960年録音

 かつて日本にセンチェリー・レコードという会社がありました。今はニュー・センチュリー・レコードという組織で、演歌や軍歌などを扱っております。

 ニューの無いセンチェリー・レコードは恐らくは1982年設立で、ニューと同様に演歌を主力としていました。実質は八代亜紀だけで運営していた会社のようです。

 このセンチェリー・レコードが一時、ジャズのマイナー・レーベルの作品を積極的に販売していたことがありました。今日取上げるのはWarwickというマイナー・レーベルの作品であり、1988年にセンチェリー・レコードが国内販売していたものです。その際には、Booker Little=Donald Byrd のコ・リーダー作品としていましたが、これは売るための作品であり、実体はテディ・エドワーズがプロデュースしたコンセプト・作品です。

 打楽器に主力を置きながら、魅力的な管も配するという内容です。フィリー・ジョー・ジョーンズを中心に、パーカッション奏者を配した4つのセッションで構成されています。無論、ブッカーもバードも加わっておりますが、全てのセッションというわけではありません。

 マイナーな会社がジャズ界のマイナー・レーベルの作品を紹介したものです。

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 パーカッションという面よりも、チャールスの考える実験的とも言える雰囲気作りがキーなる演奏です。リトルやバードはその上に戸惑いながら立って、それでも張りのある演奏を行っています。

 「November Afternoon」が印象に残りました。スリルあるテーマをリトルが熱演していますが、チャールスが考えたコンセプトがピタリと当たったと思う内容です。

 さて日本の本当に小さなレコード会社が販売したこのマイナー・レーベル作品は、あっという間に入手困難になったようで、ネットを見ると、探して探してようやく手に入れた方の喜びのページがいくつかありました。
 その中には、ビル・エヴァンス参加作品ということで、この盤を長年探していた方もありました。この作品にはいろんなミュージュシャンが参加しており、それを書くのは億劫で省略しましたが、エヴァンスも2曲で参加しております。