2008年8月21日掲載
Bud Powell           Jazz Giant
Verve原盤             1949年2月録音

 巨匠パウエルの教科書的名盤であります。録音順でいけば「Trio」次ぐものです。2つのセッションから構成されており、1949年2月はレイ・ブラウン(b)とマックス・ローチ(d)との演奏。1950年2月の録音は、カーリー・ラッセル(b)とローチとのものです。

20080821

 2分台の演奏時間が多いのですが、全てにおいて密度が濃い内容です。リズムとメロディが共存するピアノ演奏の開祖的存在で語れる盤ですが、当然中身は濃いもの。今回聴いた中では、『So Sorry Please』での、素敵な爽快感が気持ち良かったです。

 この作品の密度の濃さの証明として、SJ社発行の「20世紀ジャズ名曲大事典」の中での、取り上げられ方があります。全13曲中、対象となるスタンダード曲は9曲です。その中で先の事典名演奏として紹介されている本盤での演奏は、6曲であります。どうでもいいことかも知れませんが、この作品の凄さを物語っている一例でしょう。