2008年4月16日掲載
Wilbur Ware     the chicago sound
Riverside原盤    1957年11月録音

 ウィルバー・ウエアと言えば、何度かこのコーナーで触れてきたベーシスト。その彼のリーダー作を、今日は取上げます。John Jenkins(as),Johnny Griffin(ts),Junior Mance(p),Wilbur Campbell(d) or Frank Dunlop(d)との、クィンテットでの吹き込みです。参加メンバーはシカゴ出身で取り揃えているとのこと。ロリンズのヴァンガードや、コルトレーンとのモンクで印象深いウエアの作品です。

20080416

 シカゴと言えばアメリカ中西部の大都市で、ミシガン湖の南西に位置している。近年の五大湖周辺の地位低下はあるものの、依然としてシカゴは北米を代表する世界都市である。アメリカン・フットボールではベアーズ、野球ではカブスにホワイトソックス。文化の面では、富裕層が築いた文化と、貧困層が築いた文化があり、ブルースやジャズは後者の文化である。ここまでは、ウィキペディアからの引用です。

 シカゴは、そんな都市なのです。そう言えばロックで、そのまんまシカゴというバンドがありました。ブラス・セクションを巧みに取り入れたバンドでして、この辺りはジャズ文化の影響があったのでしょうか。

 さて、本盤。2管が和気あいあいと陽気なジャズを聴かせています。そんな代表が、恐らくはジェンキンスが本盤のために書いた『be-ware』です。またそんな雰囲気に、ウエアの自己主張が決して嫌味にならずに加わっているのが、『the man I love』です。兎に角、ジャズの楽しさが伝わる作品です。ジャズ・ファンの間で大きな声で語られる作品ではありませんが、ジャズ喫茶でこれが流れれば、二コリとする人が多い作品です。