2008年4月10日掲載
Roland Kirk      Live In Paris, 1970 Vol.2
Esoldun原盤    1970年2月録音

 第1集を取上げた際には、「ライブならではの爆発振りが少ない」と、コメント致しました。この2集目は如何でしょうか。

20080410

 昨年6月末に新居に引越し、LPプレーヤーを設置できる状況にようやくなったのですが、何故だか未だにGT2000は箱に入ったままです。レコードを聴ける環境が再び来るのを長らく待ち望んでいたのに、その環境が手に入ると、何故だか実行に移さないのは、不思議な気分でおります。

 LPで持っている作品の中に、アル・クーパーとマイク・ブルームフィールドの『フィルモアの奇蹟』というのがあります。この中で確か『ディア・ミスター・ファンタジー』の演奏中、ビートルズの『ヘイ・ジュード』のフレーズが、恐らくはアドリブで演奏されております。

 さて今回取上げているカークのライブ盤でも、『ヴォランティア・スレイブリー』の中で、『ヘイ・ジュード』のフレーズが飛び出しております。こちらの場合は他の演奏でも聴ける内容なので、アドリブで出たフレーズではないのでしょう。このアル・クーパーとカークの演奏はほぼ同時期のライブであり、ビートルズのメロディの影響度が分かるものです。


 さてカークの演奏なのですが、第1集同様に爆発振りは少ないもの。しかし今回この第2集を聴いてみて、ピアノのロン・バートンの存在の重要性を認識しました。ディキシーの匂い溢れるピアノで、カークがどんなスタイルで演奏しようとも、しっかりとカークを支えるピアノ演奏を提供しております。このことが、貪欲なカークの音楽スタイルを大きく助けていたのでしょう。

 寂しげな『ヘイ・ジュード』のフレーズと、バートンのピアノが印象に残った作品でした。