2006年8月31日掲載
Joe Henderson      Page One
Blue Note原盤      1963年6月録音

 ジョー・ヘンダーソンがBN4000番台に残した作品は、1963年6月録音の「Page One」、1963年9月録音の「Our Thing」、1964年4月録音の「In/Out」、1964年11月録音の「Inner Urge」、1966年11月録音の「Mode For Joe」と、5枚あります。この中では、やはりこの時代の演奏になっていった後半の作品が人気だと言えるでしょう。

 今日取上げるのは、BN1作目であり、ジョー・ヘンの初リーダー作である「Page One」であります。参加メンバーは、ドーハム,マッコイ,ブッチ・ウォーレン(b),そしてピート・ラロカ(d)であります。

 さて国内盤の解説を書いている油井氏によれば、ドーハムはジョー・ヘンの親分格なのだとか。その経緯を、ドーハムか書いたこの作品のライナー・ノーツに、記されております。ジョー・ヘンは除隊後の25歳の1962年に、友人のジュニア・クックの家のパーティでドーハムに紹介されたとのこと。ドーハムは直ちにデクスターにジョー・ヘンを引き合わせたとのことです。

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 まだジョー・ヘン節が形成途中なのですが、この作品にはボサノバの風に揺られながら、気分良く演奏しているジョー・ヘンがおります。ジョー・ヘン作の『Recorder Me』での、素直な演奏が気に入りました。ドーハムのライナー・ノーツには、この曲はジョー・ヘンが学校卒業直後にに書いた曲となっております。Recorder Meとはポルトガル語でRemember Meとのこと。書かれたとされる1955年にはボサノバが無かったので、当時のタイトルは『Remember Me』だったのだろうというのが、油井氏のコメントです。ボサノバ曲はもう1曲『Blue Bossa』が演奏されております。また『Jinrikisha』という、ジョー・ヘン作の曲があります。これは、彼がアーミー・バンドに在籍していた時に、日本にも寄っており、その時の印象」なのでしょう。というのが、油井氏のコメントです。油井氏はこの演奏には日本風のものだと書いてますが、僕にはそれが感じられなかった。そこは感じ方の違いでしょう。ともかく、素敵なアルバムであることは、間違いありあません。