2006年6月28日掲載
Rita Reys and Pim Jacobs    Marriage In Modern
Jazz Philips原盤                 1960年6月録音

 旦那さんウェッセル・イルケン(d)率いるピアノ・トリオをバックに、幸せそうに作品を発表していたリタさんについては、1958年録音作品「The Cool Voice of Rita Reys Vol.2」という作品を取上げました。その良き亭主イルケンの死の悲しみからの復帰作である「Two "Jazzy" People」は、先日取上げました。

 今日取上げる作品は、故イルケンのバンドでピアノを弾いていたピム・ヤコブスとの結婚した後に発表された作品であります。ジャケに写る二人は、実に幸せそうであります。日本人の感覚からすれば、僅か3年ほどの出来事にしては、この結婚は早過ぎると感じてしまいますが、そこは国民性の違いなのでしょう。

 ウィム・オーヴァーハウ(g)とルード・ヤコブス(b)が加わっており、変則ピアノ・トリオをバックにしての吹き込みになります。

20060628

 透明で輝く声で、のびのびと歌っているリタさん。バックは、ベースを軸に、ギターがリズムを刻み、ピアノが華を加えている演奏です。そして収録された12曲は、どれもが有名スタンダード。それらをリタさんは、高い歌唱力と個性で、サラッと歌い上げております。例えば真ん中辺りでの3曲、『how deep is the ocean』『have you met miss jones』『too close for comfort』という展開で、個性ある曲を違和感なく繋げて披露している様は、なかなかのものです。僕好みの曲も並んでいることもあり、愛聴盤となる作品でしょう。

 実は今年初頭に注文した際には、この作品と「Two "Jazzy" People」を同時注文したのですが、最初はどちらか1枚だけにしようと考えてました。そして、変則ピアノ・トリオであることから、この作品が候補から落ちそうになったのです。しかしながら勢いで購入してしまったのです。今ではその「勢い」に、感謝しております。