2006年1月27日掲載
Ronnie Wells      Mostly Ballads
Jazz Karma原盤   1991年8月録音

 この作品がCD収納箱から出てきて最初に思い出したのが、Susan Chenの作品であります。ピアノに女性が寝そべっているジャケからの連想です。歌手だと思って買った Susan Chen はピアニストでしたが、このロニーさんは間違いなく歌手。しかし、彼女の情報はほとんど入手出来ませんでした。

 ポイントはレーベルと、ピアノ兼プロデューサーの Ron Elliston であります。このレーベルは1990年代から7枚の作品を発表しておりますが、全てがロニーさんの作品です。そして、7枚中3枚のジャケは、ロニーさんとロンがカップルで写っているもの。そのロンさんは、今では60歳過ぎ位の白髭男。そしてロンは、「ジャズ人名辞典」にも「ピアノ・トリオ1600」にも掲載されていない方。勝手に想像すれば、金持ちロンが道楽でやっているレーベルであり、売れない歌手と組んで作品を発表しているということでしょうか。

 Houston Person(ts)もバックに加わっており、スタンダード中心の選曲であります。

20060127

 『isn't it a pity?』は、ガーシュイン兄弟によって1933年に書かれた曲です。目立った存在ではない曲ですが、時折り耳にする曲です。エラのガーシュイン集での歌唱が、有名なところでしょうか。さて本盤では、どちらかと言えば控えめなこのスロー・ナンバーを、感情を込めて歌うロニーの姿は、何故だか目に浮かんできます。顔からも感情表現がはっきりと読み取れるようなスタイルで、歌っている姿です。

 この作品は、ヴァージニア州のスプリングフィールドでの録音。恐らくこの町では、人気者のロニーさんではないでしょうか。小さなレストランで、ロンと仲良く歌っているロニーさんの姿が目に浮かんできます。