この作品を買った1996年は、ホリー・コールさんの人気は絶頂期でした。1992年から毎年来日していた彼女は、1996年には渋谷のオーチャード・ホールで三日間のコンサートを行ったのです。その来日記念盤として発売されたのが、今日取上げる作品です。ピアノ・トリオ＋ギターをバックにした作品。トム・ウェイツの曲を中心にした作品です。
スタジオ盤だと思っていたら、モントリオールでのライブ盤でした。セント・デニス・シアターという会場で、ネットで調べたら、渋谷のオーチャード・ホールを格式高くしたような会場です。そこでのホリーさんの歌唱スタイルは、大会場に相応しい風格を得たものです。その内容は、トム・ウェイツの曲を取り上げていることから想像がつくアーバン・ポップスであります。若くして風格ある歌い方から並々ならぬ実力が感じられますので、ジャズを歌ったらとの要求が出てきます。しかし、ジャズ・クラブでのホリーさんは想像出来ないだけに、無理な要求でしょうか。ジョニ・ミッチェルを柔らかくした雰囲気の中で、楽しめた一時でした。