2005年9月12日掲載
Karin Krog         Hi-Fly
Polydor原盤      1976年6月録音

 デクスター・ゴードンとの共演盤から6年後に、今度はアーチー・シェップとの共演盤を、北欧の歌姫カーリン・クローグは吹き込みました。クローグのサックス奏者との共演盤は他にも、ジョン・サーマンとのもの、またポーランドのスピグニアフ・ナメスロフスキーとのものがあります。シェップの女性歌手との共演盤には、ジーン・リーと共演したものが有名であります。

 チャールス・グリーンリー(tb),ヨン・バルケ(p),アリルト・アンデルセン(b),ビーヴァー・ハリス(d)が参加している作品です。

20050912

 解説で青木啓氏は「アヴァンギャルド・ヴォーカルとも言える大胆なアプローチ」と、この作品におけるクローグの歌を評しております。しかし、僕にはブルースを歌うクローグとシェップというのが、この作品から得られるものです。カーラ・ブレイ作曲でクローグが詩を付けた『sing me softly of the blues』が、クローグのブルース・フィーリングを最良の形で味わえるものになっています。またランディ・ウェストン作のタイトル曲では、シェップの入魂ソロが聴けます。歌とサックスの両者が、共に主役として実力を発揮した作品と言えます。