2005年8月11日掲載
Jeri Southern      when your hearts on fire
Decca原盤              1956年録音

 以前ここで取り上げた『The Southern Style』の翌年に録音された作品です。

 1926年生まれのジェリ・サウザーンは、ネブラスカ州のロイヤルという小さな町で育ちました。5歳の時にピアノを始め、10歳の時には人に教えるほどになっていたとか。18歳の時にはノートル・ダム・アカデミーに入り、クラシック・ピアノの上級コースで3年間学んだそうです。その際にアルバイトでクラブやホテルのラウンジでピアノを弾いていたのですが、時には客のリクエストに応じて歌も歌っていたとか。そんなところをデッカのプロデューサーに見出され、1951年にデッカから歌手デビューをしたのでした。その後あっという間に人気者になったのです。

 そんな人気絶頂時代に吹き込まれたのが本作品ですが、このジャケットは可笑しいですよね。コートを着ているが、何故か突っ掛けを履いている。コートの下には下着しか来ていないような感じ。データーを見ると、録音は6月から7月に掛けてのもの。勝手に想像すれば、録音と同時期にジャケット撮影を行ったけれど、発売時期は冬になるので、コートを着させたというもの。中身はやっつけ仕事で無い事を願っております。

20050811

 『The Southern Style』を取上げた時に、「マフィアの娼婦のような声」と随分なことを書いたが、大筋ではこの感想通りの内容です。非常に好みの分かれる歌声でしょうが、慣れれば良いものに聴こえてきます。歌の上手さは流石なだけに、この作品ではスロー・ナンバーが良かったです。特に最初の3曲『smoke gets in your eyes』『can I gorget you』『little girl blue』が、忘れられないデキになってます。