2005年3月2日掲載
Bruno Hubert     Get Out Of Town
Cellar Live原盤    2002年1月録音

 バンクーバーにある Cellar というレストランは、「Vegetable and Bean Chili with Chipotle Peppers and Lime With baked cheddar and Monterey jack cheeses and garlic toast」というようなメニューがある店である。オーナーはジャズ好きの Cory Weeds氏であり、ジャズ・ライブもお店で行っているのだ。

 そこまでは日本でも数多くあるパターンなのだが、Cory Weeds氏はもう一歩踏み込んで、そこでのライブをCD発売しているのだ。しかも今まで10作品をリリースしており、そこにはアレキサンダーやブライアン・リンチも含まれている。

 そんな中の1枚が今日取上げる作品である。Bruno Hubert は40歳手前と言う風貌。鍵盤柄のネクタイを締めており、ピアノを弾く姿は気合が入り過ぎている感がある。トリオ作品です。

20050302

 僕は演奏派ではなく、と言うか楽器が出来ないので、演奏の上手い下手は言えないのです。しかし、このピアノは下手だよね。『all blues』と言った数々の名演が思いつく曲に至っては、その下手さがはっきりしてくる。

 しかし、何とも言えない味があるのも事実。コール・ポーター作のタイトル曲は、カークの熱演でもお馴染みの曲。時にはバラバラになってしまう演奏の中に、力強く決まるフレーズが潜んでいます。昔好きで聴いていたショーケンの歌に通じる魅力があるのだ。

 しかし、この人はこの1枚で終わりであろう。何枚も聴くものではない。一世一代のCDといえるものだ。まさにタイトル通り「信じられない」気持ちになる。