2005年12月31日掲載
Gregory Tardy          The Truth
Steeple Chase原盤    2005年3月録音

 ネットから集めたテナー・サックス奏者グレゴリー・ターディの情報は、次のようなもの。
 ニューオリンズ出身でウィントン一派と呼ばれているらしいこと。どうやら1966生まれらしい。

 1999年1月に、ブルー・ノート東京に、代役として出演したよう。この時はソウル・サバイバーズというバンドでの出演で、メンバーは、Cornell Dupree(g),Jack McDuff(org),Bernard Purdie(ds),Chuck Rainey(b)というもの。本来ならばテナー・サックスにDavid Newman が予定されていたけれど、急遽出演を取りやめて、グレゴリー・ターディーが代役となったのです。

 この断片的な情報からだと、ソウル系のウィントン一派という想像できない存在になってしまいます。Marcus Printup(tp),Helen Sung(p),Sean Conly(b),Jaimeo Brown(d)が参加しての、クィンテット編成での録音です。

20051231

 トラディショナルとクレジットされていますが、『wade in the water』はゴスペル・ソング。R&Bの世界でよく取上げられている曲であり、ジャズでもソウル系のオルガンもので取上げられる曲です。それをターディーは、あっさりと、しかしエモーショナルを内に秘めている演奏です。全体的に、この感じがあります。でも、無理をしてあっさりと演奏しているように感じる場面があります。本当はゴリゴリに、バリバリに吹きたいのだろうと、感じてしまうことが度々あります。これは、「ソウル・サバイバーズ」に呼ばれたという実績を知ったことによる、先入観のためかも知れません。でも、そう感じてしまう。ターディーの行きたい先は、どこなのでしょう。もし本盤で聴ける雰囲気ならば、悪く言い過ぎかもしれませんが、底の浅さを感じてしまったというのが感想であります。