2004年5月9日掲載
Trijntje Oosterhuis     Strange Fruit
Blue Note原盤             2003年1月録音

 発音に困ってしまうこのお方は、何でもオランダの歌姫だとか。ユニオン新宿店でジャケットを見たときに、この笑顔一発で購入を決めた作品です。クレジットを見ると、かなりの数のストリングスが入っており、レコーディングに金がかかっている様子ですね。

 全13曲が収録されており、スタンダード中心の内容であります。

20040509

 良く伸びる高めの声に健康的なハスキーさが少し加わって、気に入った歌声。コンボを基本としたバックに、効果的に絡むストリングス。良く出来た内容だなと思って1曲目が終了したところで、拍手。この盤は、ホールでのライブだったのです。3曲目の「god bless the child」での歌唱力の高さに感心し、4曲目の「all of you」での感動的な歌い上げ方に感心。

 そこで気付いたのですが、ビリー・ホリディの愛唱曲を多く取り上げた作品なんだね。そんな名曲の数々を、ジュディ・ガーランドを彷彿とさせるエンターテイナー振りで歌っているコンサート。

 この作品自体はこれから聴いていく作品になると感じてますが、彼女にはコンボだけをバックにして、肩から力を抜いた作品を次に作って欲しい。もしからしたら、もうそんな作品が世の中に出ているのかもしれませんがね。

 最後に余談になりますが、「オランダの歌姫」で検索したら、アン・バートン,リタ・ライス,ローラ・フィジーが多くヒットしており、この発音に困る彼女にはこの呼称はまだ早いようでした。