2003年6月7日掲載
Bud Powell             Earl Bud Powell Vol.7
                                 (Tribute to Thelonious,64)
Mythic Sound原盤             1964年録音

 このパウエル集が発売となった渋谷ジャロの中で、僕は誰がLPボックス・セットの良いシリアル・ナンバーを手にするのかと考えていたのですが、取りたてて良い番号のがジャロにはまわってこなかったようでうす。恐らくは代理店への発注数でユニオンの次くらいだと思っていたので、全くLPセットには関係無い僕なのですが、少し肩透かしでした。で、僕は回りの勢いに押されたわけでは有りませんが、でも祭りに参加するという気持ちも少し手伝って、CD10枚を購入致しました。

 さて、第7集。1964年2月のフランシス家での録音から7曲、この年の8月にNYに戻ったパウエルが古巣バードランドに出演した中から7曲収録されております。全曲ともモンク作のものです。

20030607

 「パリのフランシスの部屋」対「NYのバードランド」、「気軽なソロ演奏」対「観衆有りのトリオ・演奏」という構図の収録、しかもモンク集。これは大成功の編集で、この意味で最も興が乗っている編集は、フランシスの最後とバードランドの最初に「オフ・マイナー」を持って来ている事。続けて聴くと、このセッション対決に軍配は上げられなかったです。いや、バードランドでの気迫はなかなかの出来でしたから、真にリラックスしたパウエルの演奏と伯仲の内容です。

 モンク集という意味では、モンクの曲の偉大さを実感。パウエルと言えどもモンクの雰囲気を引きずってしまうのが、微笑ましかったです。

 ジャケットに写るパウエルとモンク、迫力ありますね。