2003年10月20日掲載
Lonnie Plaxico          Live at Jazz Standard
Eighty-Eight's原盤   2003年1月録音

 1980年代に登場したベーシストと言えば、ジョン・パティトゥチッチ,チャーネット・モフェット,クリスチャン・マクブライドと、今日取り上げるロニー・プラキシコが顕著な存在であると、解説を書いている馬場氏が述べている。

 確かに、サイド参加としてよく目にする名前ではある。ではロニー・プラキシコがサイドで参加した作品で良い盤はと聞かれると、返答に窮してしまうのですがね。

 NYで活躍している中堅から若手と組んだシックス・テットでの、ライブ録音盤であります。

20031020

 「ジャズとファンクが絶妙に絡み合う圧倒的なグルーヴ感」とのキャッチ・フレーズが帯に書かれており、なるほど1曲目の「サイドワインダー」からそんな感じ。専門用語は分からぬが、ドラムのスティックの握り方が左右同じで叩いている、ロック演奏のような感じ。がんがん攻めてくる演奏。でも、何の違和感無しに聴けるもの。さほどベテランでは無いメンバー達は、しっかりとジャズを身に付けていると思う。過去の名演奏を自分のものにした上で、今の時代に合わせてストレートに演奏すれば、自然とこうなるのではと感じた。

 ごちゃごちゃ書いたが、自然にファンクなのだ。僕が嫌いなのは、ファンクするためにファンクっぽくしたジャズである。「デディケイテッド・トゥ・ユー」での落ち着く4ビート演奏を聴けば、彼らの伝統に根ざした高い実力に唸ってしまう。

 プラキスコはリーダー・シップに専念しソロでガンガンって演奏ではなく少し残念だったが、バンドをまとめる実力は高いもの。

 暫くは愛聴盤席に居座る作品。