2002年9月4日掲載
Ben Besiakov      Aviation
Stunt原盤           1999年10月録音

 吉祥寺ユニオンでのガゾーン収穫2枚目は、サイド参加の作品です。リーダーは Ben Besiakov ってピアノ弾き。このコーナーで取上げたことがあると思ったのですが、過去データを検索するも該当無しでしたね。

 Jens Winther(tp),Ray Drummond(b),Billy Hart(d)とのクインテット作品、メンバーのオリジナルとスタンダードが半々に収録されてます。楽しみは勿論ガゾーンですが、ジャケを見るとベシコフさん自身に大きく期待を持てそうなのですけどね。

20020904

 先ずは訂正。

 ベシアコフさんの作品、過去に取上げておりました。大絶賛していたのに忘れるとはね。昨年の後半の愛聴盤の1枚だったヤツです。名前が覚えられないと年を嘆きながら、早速本題に。

 冷めた演奏が全体を覆っている。しかし熱い演奏が人を興奮させるように、冷めた演奏が鳥肌を立たせるようなスリリングさを人に与えることもある。この作品は後者だ。

 オリジナルは、その予行練習のようなもの。

 ガゾーンをフューチャーした「the night has a thousand eyes」、ウィンザーをフューチャーした「body & soul」、ベシアコフのピアノがメインの「voce eu」がそれだ。クールなボサノバのベシアコフのピアノも聴かせモノならば、コルトレーンと同じ傾向でありながら肌触りがクールなガゾーンの「夜千」も、この曲のベスト演奏入りモノである。

 聴く状況を選ぶ1枚であるが、聴き応えのある作品だ。