2002年3月14日掲載
Keith Jarrett      Inside Out
ECM原盤         2000年7月録音

 スタンダーズの作品は確か10作を超えるはずであるが、僕が持っているのは3枚。キースとデイジョネットにピーコックというイマジネーションの精鋭が息の合った演奏を聴かせるのだから、聴いたら聴いたで気に入るのであるが、次々に発売される作品にはお腹一杯の気分で全て購入には至ってはないね。今日取上げる作品の購入理由は、HMVの2枚以上買えば割引の商法に乗せられたためなのだよね。

 内容を確認すれば、オマケ収録のような「when I Fall In Love」を除けば、キースのオリジナル。クレジットを読み返せば、デイジョネットとピーコックとの共演ながら、スタンダーズの文字は無し。ロンドンでのライブ録音であります。

20020314

 キースのオリジナル曲は、全て即興演奏とのこと。この場合、事前取り決めはどこまであったのだろう。恐らくは、全てがその場でのイマジネーション、完全即興だったのではないかな。モールス信号のようなメロディを奏でるキース、そこで提示されたキーとテンポに対して、ベースとドラムがアグレッシブに絡んでいく。三者のコラボレーションに感心しながら、その場に体験していない者、つまりCDでの再生で聴く者でも、その対決姿が目に浮かぶ内容である。二日間のライブの中からベストを選んだだけあってレベルの高いものであり、三つの楽器のクリアーな音の対比を楽しめる1枚。