2001年3月2日掲載
Dexter Gordon       Doin’ Allright
Blue Note原盤     1961年5月録音

 好きなミュージュシャン、或いは好きなテナー奏者として真っ先にゴードンの名前をあげる人を僕はあまり知りませんが、みんな必ず彼の重要な作品は持っておりますね。その豪快なプレイに惹かれるものの、ジャズに繊細な心情を求める日本のリスナーにとっては少し違うなっていうのが、その実情かな。1952年から1960年にかけてのモダン・ジャズ黄金期に殆どを、麻薬禍のため引退同然で活動出来なかったことが原因か。はたまた、1940年代の大活躍以外は、ジャズ界のイノベーターでは決して無かったことが原因か。しかし真っ先に名前が出なくても、今もってその作品が再発されつづけていることは、根強い人気の証明ですよね。

 さて、この盤。復帰後にBNに吹き込まれた最初の作品で、ホレス・パーランのピアノ・トリオをバックに、当時新人のフレディ・ハバードが参加して吹き込まれています。

20010302

 我が道を行くぶっとい音の豪快テナーが、名作「ハブ・キャップ」を吹き込んだばかりの若手を快く迎え、ハード・バップなるものを演奏した盤ですな。ガーシュイン作の「I was doing all right」は、曲名がゴードンの姿そのまんまで、その演奏もゆったりしたもの。言い表し難いゴードンの独特の間が、心地よく響く1枚ですな。