2001年1月27日掲載
Joni Mitchell             Taming The Tiger
Time Warner原盤    1998年録音

 遠い昔のロック少年だった頃、よく聴いた女性ミュージュシャンと言えばこのジョニ・ミッチェルさん。彼女の乾いたアコースティック・ギターは、堪らない魅力でしたね。一番好きなアコギと聞かれたら、躊躇わず彼女の名前をあげるな、僕は。少し冷めたような歌声も、最高。彼女作のジャケを見て分かる通り、絵も抜群の腕前。ルックスについては触れませんが、惚れているミュージュシャンです。彼女について最も印象的なのは、確か1976年に行なわれた、アメリカン・ロック最高峰のザ・バンドの解散コンサートですな。ロックの歴史そのものような多数のゲスト大物ミュージュシャンの中で、彼女のクールさ突出していましたね。この盤、ウエイン・ショーターのゲスト参加ということで、このコーナーへの登場と、相成りました。

20010127

 先ずはアコギの登場回数というか、フューチャー度が低いのが、実に残念。しかしながら、透明感溢れるアレンジは、実に魅力的。エレクトラの時代にも彼女はアコギを前面に出さない作品を数枚出しましたが、あの時のチャラチャラしたアレンジとは、深遠な刺激性という意味で全く違う素晴らしい出来です。彼女しか出せない冷めた歌声と節回しも、活きています。アルバム全体が、思慮深い感じで統一されていますしね。彼女にジャズのスタンダード作品を作って欲しいというのは、多くの人の望みなのではないのでしょうか。