2000年6月18日掲載
Yusef Lateef        Other sounds
New Jazz原盤        1957年10月録音

 ユセフ・ラティーフはいろんな楽器を吹く方ですね。フルートやテナーに加えて、こ の作品ではアーゴル(argol)という楽器まで吹いて(?)います。ガレスピー、ミンガス、 キャノンボール・アダレイなどのバンドに迎え入れられたラティーフですが、オリエン タルな雰囲気が好かれる理由なのですかね。コルトレーンとの共演で有名なウイルバー・ ハーデン(flh)、ヒュー・ローソン(p)、アーニー・ファロウ(b)、オリバー・ジャクソン(d) が参加しています。ラティーフが妙な楽器を演れば、ベースはrebob、ドラムはearth-board という、これまた聞き慣れない楽器を使っています。

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 1曲目は“all alone”、正統的4ビート・ ジャズでっせ。出来はいいのだが、僕のイメージのラティーフではない。で、2曲目の “anastasia”で、オリエンタル・ラティーフの登場です。argol という楽器は、雅楽で 使われている笛みたいな音です。この後、正統的とオリエンタルが交互に出て計6曲に なります。正統系はね、ハーデンのマイルス張りの演奏や、ローソンの初々しい感性を 楽しめていいのですが、オリエンタル系は少しやり過ぎですね。最後の曲にいたっては、 祈りを捧げているようなヴォーカルまで登場して、チョット勘弁。どっちつかずで終った 作品です。